テルマエ・ロマエ 漫画原作1巻 に対する海外の反応

マンガ大賞2010と手塚治虫文化賞を受賞した「テルマエ・ロマエ」。映画もヒットしたのでご存じの方も多いでしょう。

最初にこの漫画を読んだ時はローマ帝国と日本の風呂文化を組み合わせた設定に衝撃を受けました。そして、すぐに全巻購入してしまいました。

絵のスタイルはシリアス調、主人公も超が付くほどの真面目なローマ人。それが現代日本にタイムスリップするだけで、これだけ面白くなるのかと驚きました。主人公ルシウスの真面目さと日本人の爺さん婆さんのノホホンとした感じ。西洋と日本、古代と現代だけでなく若者と老人という3重の対比が面白いんですよねw

テルマエ・ロマエ英語版

そんな日本人にしかわからないと思われる内容なのに、英語版が発売されていたとは驚きです。アメリカの漫画好きはテルマエ・ロマエをどのように捉えたのでしょうか?


翻訳元:
Thermae Romae, Vol. 1: Mari Yamazaki: 9780316229197: Amazon.com: Books

あなたの予想を裏切るでしょうね!

By Benjamin Applegate

コンセプトは一見馬鹿げているーそして実際にそうなんだ。

でも思っているよりもずっとよく練られたストーリーのように思える。現代へのタイムトラベルのシーンはすごく滑稽だし、ハラハラとしながら主人公を見守ることになるでしょう。

ルシウスが妻とのトラブルに見舞われるところ、そして天才技師として頭角を現すところなんかはとっても興味深いね。

風呂文化は新たなる高みに達した!・・・もしくは低みか?不遜なテルマエ・ロマエ!

By Suzi Hough VINE VOICE

ルシウス・モデストゥス、2世紀ローマの設計士は、古臭く時代遅れな公衆浴場をデザインしたとして解雇されてしまった。イライラしていた彼は、友人のマルクスと共に午後の風呂でくつろぐことにしたんだ。

そして彼が風呂の中に頭を沈めたとき、 なんと排水口の中に吸い込まれてしまったんだ。やっと彼が風呂の水面に辿り着いたとき、見たこともない「平たい顔族」たちに囲まれていることに気づいた!彼はどういうわけだか、ローマ時代から20世紀にタイムトラベルしちゃったんだね。

ルシウスは日本語を理解できないし、入浴中の男たちには勿論ラテン語は通じない。でも彼は画期的な浴場のデザインと文化に虜になってしまったのさ!最終的にローマへと戻った彼は、その画期的なデザインを設計に応用し、その評判は皇帝ハドリアヌスの興味を引くことになったんだ!

「テルマエ・ロマエ」は、これまで漫画を読んできた中で最も奇妙なアイデアのひとつだったね。

一人のローマ人がお風呂で現代日本にタイムトラベルだって?去年、私の日本の友人がこの漫画について説明してくれたとき、彼が誤訳したのか、それとも私が聞き間違いをしたのかと真面目に思ったよ。笑

マンガはとても良く描かれているな。日本と西洋のハイブリットのようなスタイルが興味深いね。

幾つかのページはカラーで描かれているが、基本的には白黒ページだ。ローマの風景や人物は、とても自然に描かれている。彫りの深い感じや筋肉質な肉体は、世界中の博物館で見られるようなギリシャ・ローマの彫刻を思い起こさせるね。

対照的に、日本人のキャラクターは、もっとコミカルに描かれている。ルシウスが新しい世界に放り込まれたのは、まさに東西の文明の衝突といった感じだね!

さて各話は、だいたい同じような構成になっている。ルシウスが風呂の設計の問題に直面し、思案しているところで風呂へと放り込まれる。そして新しいタイプの日本の風呂にトランスポートするんだ。

ルシウスは自身のプライドに直面することになる。なんせ彼はローマ市民であり、すべての民族のトップに君臨しているのだから。でも田舎者たちの単純な桶やフルーツ牛乳に夢中になってしまう。

日本人とのコミュニケーション不全を抱えるが、ルシウスは少しもひるまない。なぜなら単なる「平たい顔の奴隷」だと思っているからね。同様に、ほとんどの日本人は彼の無知を気にかけない。ただの外国人として放っておいているんだ。

日本人の創意工夫に感銘と驚きを感じたあと、ルシウスは、彼の見たことを実行に移すべくローマ帝国へと戻される。

そして各話の最後には、話に影響を与えた経験とリサーチについて作者の短いエッセイがあるんだ。私は最初、これは余計なことだと思っていた。でも次には、ほとんどのことは浴場で起こり、多くの裸があることについて説明しなければいけないと思った。

またローマと日本の男根・・・つまりペニスへの信仰についての詳細な話もあるんだ。ほとんどの男性キャラは銅像のように見えるが、多くの裸の胸や腰、お尻があることにはちょっと恥じらいを感じさせるね。

これを英語で読むことができて嬉しいよ!

By Brian Watson

私はプロの日英の翻訳者なんだ。だからオリジナル版を読むことは難しくなかった。実際に手に入れると、私のパートナーはこの漫画の熱心なファンになった。でも英語版は、日本のオリジナルより、更に改良を加えてきたんだ。

まず、サイズはより大きくなった。そして多分技術的な理由で、翻訳された擬音語を詰め込んだ。それはオリジナルよりも理解を容易にし、より楽しめるようにしたと思う。

また明らかにこの話は、歴史をわざと弄んでいるんだと思う。なので、歴史的事実との細かい違いは、間違いではないだろう。(例えばアポロドロスについて)

そしてほとんどの場合、彼女のリサーチは完璧であり、ローマ時代の生活への描写と考え方は素晴らしいと思う。またそれは完璧に成し遂げられた。

各話の後に付いている作者による解説は、いつも読んでいて楽しいし、作者へとより近づく感じがする。(そしてこれはテルマエ・ロマエの映画版に対する作者の収入の少なさに対する怒りへと繋がります。)

翻訳は素晴らしく、解説も楽しく読めました。しかし本の最後でなく、各話の後にあったほうが良かったなと思います。

翻訳者の性として、言葉のチョイスのあら探しをしてしまいました。しかし結局、編集者に対して指摘するためペンを執るようなことはありませんでしたね。

全体的な感想として、たった数日で読み終えたという以上の説明は要らないでしょう。2巻が出るのが待ちきれません。というか、すでに2巻の予約をしてしまいましたよ!

私がいかに日本の風呂に対する不安を無くし、そして愛するようになったか。

By Tsuyoshi TOP 1000 REVIEWER

ルシウス・モデストゥスは古代ローマの技師であり、ハドリアヌス帝(紀元74〜138年)の時代に生きていた。このルシウスは問題を抱えていた。彼の公衆浴場は時代遅れとされたのだ。しかし、ルシウスは新しく、そして革新的な浴場のデザインのインスピレーションを得ることができた。

彼がローマの風呂に入っていたとき、なぜか日本の公衆浴場「銭湯」へとトランスポートしてしまったのだ!彼は「平たい顔」の人々と出会い、彼らの快楽文化と出会ったのだ!!

バスタブでトランスポートするアイデアは小説的だ。でも目新しいことだとは言えないな(GIRLSブラボーを思い出してご覧よ。)テルマエ・ロマエの強みは、作者であるヤマザキ・マリの深く文化に根ざした笑いだ。

現代日本人との笑える交流の中で、時には「平たい顔族」の風習を誤解してしまったりもする。そしてこの理想に燃える浴場技師は、ローマの公衆浴場(つまりテルマエ・ロマエ)を改良する方法を思いつくのだ。

なのでテルマエ・ロマエは文明の衝突コメディと言うべきものだ。(さらに重要なのは)それが古代ローマと現代日本の間で起こっているということ。その中には男根崇拝の話やウォータースライダー、クロコダイルの話を含んでいる。各話は(全部で10話ある)、作者による楽しく洞察に富んだ2ページのエッセイ(写真付き)にて締めくくられる。

【第一巻について】Yen Pressの英語版「Thermae Romae」1巻は、オリジナルの日本語版の1巻と2巻の内容を収録しています。(英語版の第6話はオリジナル版の2巻の最初の話です)

Yen Press(とその他の出版社)による殆どの日本漫画の翻訳版と違い、この漫画はA4サイズより約1インチほど小さなハードカバー仕様となっています。この本は同じ出版社の「A Bride’s Story」より大きく、薄いです。

日本では既に実写映画版が作られ、大きな商業的成功を収めています。

漫画のアートワークは素晴らしい。でも今の漫画の主流からは外れています。しかし彼女の絵のスタイルは、内容と完全にマッチしています。

魅力的で真面目な主役のルシウスの愉快な悲劇、クリエイター・ヤマザキによる素晴らしい鋭い視点による、人々と文化を楽しんでください!


いやー皆さん、結構深く物語を読み解いていてびっくりしました。日本の漫画のコアなファンといった感じですね。

日本の漫画の強みは、こういったちょっと大人向けの文化的な切り口の漫画もあることだと思います。ナルトやブリーチを読んでいる、アメリカのキッズにも読んで欲しい。

私も、久しぶりに全巻読破してしまいましたw

わたしは書籍版で全巻持っています。

いますぐ読める電子書籍版(Kindle版)はこちら。

大人なら漫画全巻まとめ買いやろ!(`・ω・´)シャキーン

テルマエ・ロマエ作者 ヤマザキマリさんの作品紹介

テルマエ・ロマエの作者のヤマザキマリさんは、かなり変わった人生を送っています。

その深い造詣と、ユーモアセンスで多彩な魅力を持つマンガを多数書かれています。

テルマエ・ロマエ好きな人は、ぜひ他の作品も読んでみて下さい!

プリニウス

ヤマザキマリさんの最新刊が、とり・みきさんとの合作「プリニウス」です。

古代ローマに実在した博物学者プリニウスの人生を漫画化しています。

テルマエ・ロマエを書いていた頃から、次はガチンコのローマを描きたかったというヤマザキさんのローマ愛がこれでもかと詰まっていますよ。

スティーブ・ジョブズ

言わずと知れたiPhoneやMacのAppleの創業者のスティーブ・ジョブズ。

彼の死後 発売されたベストセラーの伝記をヤマザキマリさんが忠実に漫画化しました。

スティーブ・ジョブズの破天荒な性格は、まさに漫画向きだと思います。

世界の果てでも漫画描き

世界を旅する漫画家であるヤマザキマリさんの思い出を綴るエッセイ漫画。

キューバ、エジプト、シリア、チベットなど・・・コアなチョイスが続きます。

テルマエ・ロマエに負けないハチャメチャ感が笑えますよ。

モーレツ!イタリア家族

ヤマザキマリさんの夫ってイタリア人なの知ってました?

その夫の実家でのドタバタ奮闘を描いています。

テルマエ・ロマエとはかなりタッチが違い、ヤマザキさんの多彩さを感じます。

こちらは続編。かなりキョーレツなキャラが揃ってます。笑

その他 エッセイなど


追記:テルマエ・ロマエ映画版の海外反応もまとめました。


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